観葉植物を育てていると葉が黄ばむことがあります。
では、なぜ観葉植物の葉は黄ばんでしまうのでしょうか?その原因と未然に防ぐ対処法について1つ1つ確認していきましょう。
葉が黄ばむ原因と対処法
観葉植物の葉が黄変してしまう主な原因は葉のクロロフィル(葉緑素)含有量の低下によるものです(葉の退色をクロロシスといいます)。
ここからは、なぜクロロフィルの含有量が低下してしまうのか、その原因と対処法をそれぞれ細かく確認していきましょう。
水やりのし過ぎ
植物は根が乾くことによって根から酸素を吸収し成長します。水やりのし過ぎや水はけの悪い用土を使用していると、いつまでもが用土内が乾かず、根は酸素を取り入れることができません。このとき、根は酸欠状態になるのです。
酸欠状態となった観葉植物は根腐れを起こし、その初期症状として葉が黄ばみます。観葉植物を育て始めたばかりの方には「枯れるのが心配で頻繁に水やりをしてしまっていた」なんてことも珍しくありません。
園芸の世界には「水やり3年」というぐらい、植物への水やりというのは奥が深いものだったりします。
もし水やりのタイミングが心配という方は「水やりチェッカー サスティー」を使って用土内の乾いたタイミングを目視化することをおすすめします。
乾燥
日本で人気のモンステラやビカクシダといった熱帯植物の原産地は熱帯地域です。熱帯地域は年間を通して湿度が高く一定の気温の環境下で自生しています。
そういった植物たちが四季のある日本で、特に冬季は空気中の湿度の低下し、葉の蒸散のバランスを保つことができず葉が黄変してしまうのです。
葉の黄変を防ぐためにも、育てている観葉植物の自生地が湿度の高いところなのか、乾燥地域なのかをしっかりと理解することで葉の黄変を防ぐ一歩となるでしょう。
植物によっては冬は加湿器を上手に利用し、湿度を維持するようにしましょう。
日照不足・日照過多
乾燥地帯が原産の植物は強い光を求めます。そのため、室内の蛍光灯の光だと日光が不足してしまう可能性があります。
多肉植物や塊根植物など強い光を求める植物に対しては、アマテラスやツクヨミといった観賞植物専用のライトを当てることをおすすめします。
くれぐれも観賞植物専用のライトを使用する際にはメーカー推奨の照射距離を保つようにしましょう。
また、薄暗いジャングルで育つような熱帯植物はそこまで強い光を求めていません。ライトが強すぎても葉焼けしてしまい、結果的に葉が黄変する原因となってしまいます。
観葉植物それぞれの自生地環境に合った光というのを用意してあげるよう心掛けましょう。
根詰まり
観葉植物の根があまりにも育ちすぎると、用土内から必要な栄養や酸素を上手く取り入れることができず、その結果葉が黄ばんでしまうことがあります。
この場合、これまで使用していた鉢からより大きな鉢へと植え替えをします。なお多くの観葉植物たちは冬は冬眠状態となり、根は成長しません。ですので、植え替えは春から夏前にかけて行うようにしましょう。
もし大切な観葉植物が根詰まりを起こすのが怖いという方は半透明な、プラスチック鉢を使用することをおすすめします。半透明プラスチック鉢なら、根の発根状況、用土内の乾き具合が一目でわかるため、特に観葉植物初心者の方にはおすすめです。
栄養分の欠乏
植物は窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、モリブデン(Mo)といった栄養分が不足すると、茎の下部に位置する葉、もしくは葉一枚の中では基部側よりも齢が進んだ葉の先端部に黄変が見られます。
これに対し、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)、ホウ素(B)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)などの栄養分が不足すると、茎の先端にあるような若葉で、葉の基部側に黄変が見られます。
植物が育つうえで必須の三要素が窒素、リン、カリウム、葉緑素(クロロフィル)の構成成分となるのがマグネシウムです。
もし観葉植物の栄養分が不足しているかもと心当たりのある方はしっかりと追肥を使用し、植物の生育に必要な栄養素を供給してあげましょう。
温度ストレス
人間が暑さ、寒さによってストレスを感じるように植物にも最適な生育温度というものが存在し、気温によってストレスを感じます。
特に日本には四季があるため、寒さに弱い植物によっては冬は最適生育温度の上限を超え、生理機能が低下してしまいがちです。
あまりの高温、低温となると葉の黄変を通り越して24~48時間で枯死する可能性すらあり得ます。しっかりと温度を管理するようにしましょう。
害虫・病気
観葉植物が虫や病気に侵されても葉が黄色く変色する原因となります。観葉植物の主な虫と病気は下記の通りです。
もし、葉に黄色い斑点や白い虫のようなもの(カイガラムシ)、葉の裏に黒い斑点(ハダニの糞)などが見られた場合は、ベニカを使用し、迅速に対応するよう心掛けましょう。
虫を放っておくと、葉の表面に存在する気泡や害虫の摂食によってできた傷口から細菌やウイルスに感染してしまう恐れがあります。
- アブラムシ
- ハダニ
- アザミウマ
- カイガラムシ
- コナジラミ
- コバエ
- うどんこ病
- 灰色かび病
- 軟腐病
- 斑点病
- すす病
- 炭そ病
まとめ
観葉植物の葉が黄色く変色してしまう原因は水やりから園芸用品、気温や湿度など様々な要因が考えられます。
自身が育てる観葉植物の自生地での環境をしっかりと理解し、それ近しい環境を整えてあげるようにしましょう。