アグラオネマピクタムを育てていると花芽が上がってくることがあります。初心者の方だと、「花芽が上がってきたけどどうしたらいいの?」と戸惑う方もいるでしょう。
そこでこの記事では、アグラオネマピクタム初心者の方向けに花芽が上がってきたらどう対応すれば良いのか、交配のやり方についても画像を交えながら詳しく解説してきます。
アグラオネマピクタムに花芽が上がるサイン
アグラオネマピクタムに花芽が上がる前にそのサインがあるので、先に解説しておきます。例外もあるかもしれませんが、基本的にアグラオネマピクタムに花芽が上がる前は、これまでに展開していたサイズの葉より一回り小さい葉を展開します(ほとんどサイズ感が変わらない葉を展開する場合もあります)。
明らかに「ん?この葉っぱこれまでの葉っぱよりもサイズが小さいぞ?いきなりどうしたんだ?」と不安に感じることもあるかもしれません。しかし、その場合は次から花芽が上がるサインである可能性が高いです。
通常1~3つ程度の花芽が上がります。私自身の実体験やTwitterなどを拝見している限り、6~7月は特に花芽が上がりやすいようです。
アグラオネマピクタムに花芽が上がってきたら
アグラオネマピクタムに花芽が上がってきた場合に考えられる選択肢は2つです。
- 花芽をむしる
- 同じタイミングで花芽が上がりそうな別株があるなら交配(実生)させる
花芽をむしる
花芽が上がってきて交配させる予定のな場合は、花芽は捻じってとってしまいましょう。アグラオネマピクタムは花芽が上がると受粉に向け体力を消費するのか、葉が黄変したり時には幹が溶けたりと調子を崩しがちとなります。
ですので、もし交配させる予定がないよ、という方は花芽が上がった段階で花芽の根元から捻じって花芽が取り除いてしまいましょう。
同じタイミングで花芽が上がりそうな別株があるなら交配(受粉)させる
もし、アグラオネマピクタムを育てていて2株以上花芽が同じタイミングで上がりそうな場合、それらの株の交配を狙うことができます。交配の具体的なやり方については次で詳しく解説します。
アグラオネマピクタムの交配(実生)のやり方
アグラオネマピクタムは花芽が開花すると3日前後でおしべから花粉を飛ばします。♀となる株のめしべに筆や綿棒で花粉を付着させてあげると、タイミングが良ければ受粉し種ができます。種がとれるようになるまでは半年ぐらい時間を要します。
おしべが花粉を飛ばしめしべに花粉をさせるまで
袋を被せることにより花周辺の湿度を維持することができ、いつ花粉が飛ぶのかを把握することもできて、かつ飛んだ花粉が知らぬ間に落下しているといったことを防ぐことができます。
また、花が咲いたからといって過度な期待は禁物で、時に花粉を飛ばさないケースもあります。
「さあ、間もなく花粉を飛ばすよ!」と言わんばかりに花粉を飛ばす直前(体感12時間前ぐらい?)におしべから写真のように水分が放出されます。
このように水分が放出されたら間もなく花粉が飛ぶサインだと思ってください。
無事花粉が飛んだら、飛んだ花粉を100円ショップで買える筆や綿棒などで♀となる株のめしべに付着させましょう。めしべのタイミングがばっちりならこれで受粉します。
余談ですが、筆と綿棒どちらも使用しましたが個人的には筆の方が圧倒的に使いやすかったです。
- アグラオネマピクタムの花粉は保管可能なの?できるならどれぐらい期間可能なの?
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アグラオネマピクタムの花粉の保管は可能です。花粉は3日程度生存しているものと考えられます。
筆者はまだ成熟しておらずタイミング的に合わないであろう雌しべに花粉をつけ、袋を被せていたところいつの間にか受粉していたといった経験を何度かしています。 - アグラオネマピクタムの交配を成功させるコツは?
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雌しべが完全に黄色くなっていなかったとしても、雌しべに花粉を付けておくことです。雌しべに花粉を付けておけば、その間に生存していた花粉によりいつの間にか受粉が成功しているかもしれません。
アグラオネマピクタムの交配時の注意点
アグラオネマピクタムの交配時に注意したいのが、♀となる株の健康状態です。前述した通り、花芽を上げるとアグラオネマピクタムは調子を崩しがちです。個人差、個体差はあると思いますが、何枚かの葉は黄変してしまうと思います。つまりそれだけ株としての体力を消費するのです。
ですので、元からあまり調子が良くなく葉数の少ない株なんかは場合によっては溶けてしまう恐れもあります。交配をさせてるときはしっかりと♀となる株の健康状態を把握した上で臨むようにしましょう。
アグラオネマピクタムの種ができたら
上手く受粉が結実すると、めしべが種へと成長し、半年ほどで緑色だった種が黄色、赤へと一気に色付きます。赤になれば種は収穫の時期ですが、それよりも少し前のタイミングで収穫しても問題ないみたいです。
無事アグラオネマピクタムの種ができたら果肉を剥き、用土や水苔に植えます。
皆さんのやり方をSNSで拝見している限り、アグラオネマピクタムの種を植えるのにおすすめなのは水苔です。私はこれまで用土に植えてきましたが、発芽率が70-80%前後でした(6粒中4粒、10粒中8粒が発芽といった感じです)。
まとめ
花芽が上がって交配させる予定がない(もしくは他の株のタイミングが合わない)場合は、花芽を捻じってむしってしまいましょう。
もし、別の株からも花芽が上がって、「お?これは交配狙えそう…?」ということであれば、♀となる株の健康状態に配慮しながら交配(受粉)を狙ってみると良いでしょう。親株の表現を引き継いだオリジナルの株が生まれるかもしれません。
この記事があなたのボタニカルライフに少しでもお役に立てれば幸いです。